こんにちは、ビズジーン編集部です。
「うちの家族、認知症になりやすいのかな？」
「将来、自分も親と同じ病気になるの？」
このような不安を抱えている方は、決して少なくありません。
近年の研究で、認知症と遺伝の関係が少しずつ明らかになってきました。
特に注目されているのが、APOEという認知症リスクに関わる遺伝子です。
今回は、認知症と遺伝の関係、そして話題のAPOE遺伝子検査について、一般の方にも分かりやすくご紹介します。
知ることで、きっと未来への備え方が変わるはずです。
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認知症が遺伝する確率はどのくらい？
認知症の7割を占めるアルツハイマー型認知症は、近親者にアルツハイマー患者が多いほど、自分の発症リスクも高くなることが知られています。
アメリカの医学誌「Neurology」によると、
・第一度近親者（両親・きょうだい・子ども）にアルツハイマー患者が1人以上いる場合、発症リスクは、約1.7倍。
・2人以上いる場合、発症リスクは、約4倍であると報告されています。
つまり、血縁者にアルツハイマー患者が多いほど、自身の発症リスクが高くなることが示されています。
では、なぜ家族にアルツハイマー型認知症の人がいると、自分のリスクも高くなるのでしょうか？
その背景には、「遺伝的要因」があります。
近年の研究では、中でも特に重要な遺伝的要因として、APOEという遺伝子が注目されています。
この遺伝子の型によって、将来の認知症リスクに個人差があることが分かってきたのです。
アルツハイマー型認知症のリスク遺伝子：APOE遺伝子とは？
APOEの役割と脳への影響
APOE（アポリポタンパクE）は、脂質代謝に関与する重要なタンパク質を作る遺伝子です。
脳内のコレステロールや老廃物の処理に深く関与し、さらに神経細胞の修復や再生を助ける役割も持っています。
しかし、APOEの中でもe4型を持つ人は、アルツハイマー病に特徴的なアミロイドβという異常なたんぱく質が脳内に蓄積しやすいことが知られています。
この蓄積が神経細胞のダメージや炎症を引き起こし、記憶力や認知機能の低下につながる可能性があると考えられています。
APOE遺伝子の型（e2・e3・e4）と認知症リスクの違い
人は父親と母親からそれぞれ1つずつAPOE遺伝子を受け継ぎ、組み合わせによって型が決まります。
- e2型：発症リスクを下げる保護的因子
- e3型：最も一般的で中立的な型
- e4型：アルツハイマー病リスクを高める型
組み合わせ例
- e3/e3 → 標準的なリスク
- e3/e4 → リスクやや高め
- e4/e4 → 最も高リスク
ただし、e4型を持っているからといって必ず発症するわけではありません。あくまで「リスクが高い傾向がある」という意味です。
APOE遺伝子検査で何が分かるの？
APOE遺伝子検査キットの手軽さ
APOE遺伝子検査キットは、口腔内の細胞をスワブ（綿棒）を少量採取するだけで行えます。取った検体を郵送する事で、数週間後にはWeb結果で結果が届きます。
病院に行く時間がない忙しい方でも、手軽に将来のリスクを知ることができるのは大きなメリットです。
検査で分かることと限界
分かること：
- 自分のAPOE遺伝子型（e2、e3、e4の組み合わせ）
- 遺伝的な認知症リスクの目安
- 家族計画における参考情報
分からないこと：
- 必ず認知症になるかどうかの確定診断
- 具体的な発症時期
- 他の遺伝子や環境要因の影響
重要なのは、この検査はリスクを知り、適切な対応で発症を遅らせる（予防する）ことを目指す視点だという事です。
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認知症リスクが高い人がとるべき生活習慣対策
遺伝子は変えられませんが、生活習慣は変えることができます。リスクが高いと分かった場合でも、日々の行動によって将来の発症を遅らせたり、軽減したりできる可能性があります。
食事・運動・睡眠の改善
- 地中海食や和食中心のバランスの良い食事
- 有酸素運動（ウォーキング、ジョギング）を習慣化
- 規則正しい睡眠をとり、脳の休息を確保
脳トレ・認知予防アクティビティ
- 読書や楽器演奏などの知的活動
- 人との交流による社会的刺激
- 新しいことに挑戦する「学習習慣」
これらは「脳の予備力（認知予備能）」を高め、発症リスクを減らすことにつながります。
まとめ：知ることから始まる認知症予防の新時代
認知症と遺伝の関係は確かに存在しますが、それは「避けられない運命」ではありません。
APOE遺伝子検査によって自分のリスクを正確に把握し、それに基づいた生活習慣の改善や医療機関との連携を行うことで、認知症のリスクを大幅に軽減できる可能性があります。
「知らない不安」よりも「知って備える安心」を選びませんか？
APOE遺伝子検査は、あなたとあなたの大切な家族の未来を守るための、貴重なツールです。今日から始める予防への第一歩として、ぜひ検討してみてください。
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