未病検査事業

未病とは、「発病には至らないものの健康な状態から離れつつある状態」を指しています。

「病気になってしまってからそれを治すよりも、病気になりにくい心身をつくることで病気を予防し、健康を維持する」という予防医学の重要性が認識されるにつれ、「未病」も重要なキーワードになってきています。

本事業では、高感度かつ迅速な遺伝子診断を行うことで、個人の持つリスクを把握し未病対策につながるサービスを提供しています。

アルコール遺伝子検査

飲酒にまつわる様々な事故や事件が社会問題化していますが、これらは飲酒を嗜好や習慣性、個人の意識問題だけで捉えてきたことが大きな要因の一つとなっています。個人が遺伝的に備えている「飲酒力」を遺伝子検査の迅速性と簡便性を活用し判定、生体的な観点から正しいアルコールとの付き合い方を提案するために、簡易にアルコール依存症などのリスクを判定できる遺伝子検査キットを開発しました。

飲酒をすると体内に入ったアルコールは「ADH1B」と「ALDH2」というふたつの酵素の働きによってからだから排出されます。これらの酵素の働きは遺伝的に決まっていることから、これらの酵素の遺伝子をダブル解析し、アルコールを分解無害化して排出する体質の特徴を5つの型に分けてお知らせします。

膣内フローラ

女性の膣内フローラ(細菌叢)はすでに研究が進んでおり、多様性が低いが故に女性の健康と大きく関わっていることが明らかになっています。膣内フローラに大きく関係する菌がラクトバチルス(乳酸樟菌)です。ラクトバチルスが膣内のpHを4~4.5に保つことで、病原菌が膣内に侵入したり、膣内で成長したりするのを妨げると言われています。

ラクトバチルス量は抗生物質の使用やホルモンの変化、喫煙、環境の変化やストレス、ボディーソープを使った洗浄まで、さまざまな要因で変化すると言われています。ラクトバチルスが膣内で少なくなると、細菌性膣炎や尿路感染症、不妊、卵管炎、早産、性感染症(HIVやHPV、性器ヘルペスウイルス感染症、性器クラミジア感染症、淋病)などさまざまな病気を引き起こす原因になるようです。

この度、膣内全菌におけるラクトバチルスの割合のみを数値化することに特化した解析方法の確立に成功し、簡易で安価に自身の解析を行うことを可能としました。
この技術を、日本事業開発株式会社と共同でキット化することも出来ました。多くの女性が美しく健康に過ごすための一助として弊社の解析技術がお役に立つことを願っております。

葉酸代謝遺伝子

葉酸はDNAの合成を促進し、赤血球の生成や多くの生体機能に関わっており、人体の成長に必要な栄養素です。最近の研究では虚血性心疾患のリスク低下に関与していることが示唆されています。
また、葉酸は代謝を促進する酵素を補う役割があり、葉酸が不足すると肝臓の代謝が滞り、血中のホモシステイン量が増加します。
ホモシステインには血小板を凝集させたり、血管を広げにくくする作用があり、ホモシステインが増加すると動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中や認知症などのリスクが高まります。

葉酸は適切な量を摂取することが大切ですが、葉酸の代謝力は人それぞれ異なり、大きくは遺伝子によって3つの型に分類されます。現在、この3つの型を区別できるキットを開発しています。