PCR非阻害型ウイルス不活化液の開発に成功しました

SARS-CoV-2のPCR検査手法としては、主にRNA抽出法とダイレクト法が用いられています。RNA抽出法はPCR試薬を検体に入れる前に核酸(RNA)を抽出する方法で、ウイルス不活化液の影響を受けず精度が高い反面、検査者の技術が必要であり、抽出の時間もかかります。一方でダイレクト法は検体(鼻腔液や唾液)にPCR試薬を直接入れるので検査者の技術はそれほど必要ではなく、抽出作業が無い分 時間も短時間で済みます。しかし、ウイルス不活化液の影響を受けることから精度が低くなるという欠点が指摘されていました。
厚労省が行った「新型コロナウイルス感染症にPCR検査等にかかる精度管理調査業務報告書」によると、検査対象である公的な検体を扱う医療機関や大学において、ダイレクト法を用いている機関は約32%であり、民間企業ではそれ以上にダイレクト法のほうが主流だと言われておりますが、ウイルスを不活化し、そのまま高精度でPCR検査が出来る試薬が無いことから、開発を求める声が高まっておりました。
当社は、北大阪ほうせんか病院様のご協力をいただき、ダイレクトPCRにそのまま使えるウイルス不活化液を開発し、5月19日にプレスリリースを行いました。