朝と夜の運動、どっちがダイエットに効果的?朝は脂肪燃焼、夜はリラックスにおすすめ【薬剤師が解説】

こんにちは、ビズジーンマガジン編集部です。

ダイエットのために運動を始めようと思ったとき、

「運動するなら、朝と夜のどちらが痩せやすいの?」
「朝食前に運動したほうが脂肪は燃える?」
「夜に運動すると眠れなくならない?」

と疑問に思ったことはありませんか?

最近の研究では、朝と夜のどちらに運動しても体脂肪の減少が期待できる一方、脂肪の減り始める早さでは朝の運動がやや優勢である可能性が示されています。

一方、夕方から夜の運動には、体を動かしやすく、仕事や家事の後の気分転換やリラックスにつながりやすいというメリットがあります。

本記事では、朝と夜の運動の違いについて、最新の研究結果をもとに分かりやすく解説します。

最初に結論をまとめると、次のようになります。

  • 脂肪燃焼や体脂肪の減少を重視するなら、朝の運動がやや優勢
  • 体の動かしやすさや気分転換を重視するなら、夕方から夜の運動がおすすめ
  • 朝でも夜でも、継続すれば体脂肪の減少が期待できる
  • 最も大切なのは、自分が無理なく続けられる時間を選ぶこと

「朝に運動できないとダイエットに失敗する」ということではありません。

朝と夜にはそれぞれ異なるメリットがあるため、生活リズムや運動の目的に合わせて選ぶことが大切です。

2025年に科学誌『Scientific Reports』へ掲載された研究では、運動習慣のない18~28歳の男性58人を、次の3グループに分けて比較しました。

  • 朝6~8時に運動するグループ
  • 夜18~20時に運動するグループ
  • 運動を行わないグループ

朝と夜のグループは、12週間にわたり、週150分以上の中強度の有酸素運動を行いました。

その結果、朝と夜のどちらのグループでも、体脂肪、内臓脂肪、皮下脂肪が減少しました。

つまり、運動する時間にかかわらず、継続的な有酸素運動にはダイエット効果が期待できるということです。

一方、脂肪が減り始める時期には違いが見られました。

朝のグループでは、運動開始から4週間後の時点で体脂肪の減少が確認されました。これに対して、夜のグループで明確な減少が確認されたのは、主に8週間後以降でした。

さらに、朝のグループでは、12週間後に総コレステロールと中性脂肪も低下しました。この結果から、脂肪や脂質代謝の改善を重視する場合、朝の運動がやや有利である可能性が考えられます。

参考:Shen B, et al. Scientific Reports. 2025

朝、特に朝食前は、前日の夕食から時間がたっているため、すぐに利用できる糖質が少ない状態です。

この状態でウォーキングなどの有酸素運動を行うと、食後に運動する場合と比べて、体に蓄えられた脂肪がエネルギーとして利用されやすくなります。

実際に、朝食前の運動を調べた研究では、朝食後に運動した場合と比べて、運動中の脂肪酸化、つまり脂肪をエネルギーとして使う量が増えたことが報告されています。

参考:Bachman JL, et al. 2016

また、運動習慣のある男女を対象に12週間のトレーニングを行った別の研究では、女性の場合、朝に運動したグループで腹部脂肪や血圧がより大きく低下しました。

「体脂肪を減らしたい」「脂肪燃焼を意識した運動をしたい」という方は、朝の運動を試してみてもよいでしょう。

脂肪燃焼を目的として、朝食前に激しいランニングを行う必要はありません。運動習慣のない方が空腹時に激しい運動をすると、めまい、ふらつき、気分不良などが起こる場合があります。

初心者の方は、次のような軽い運動から始めてみましょう。

  • 10~20分程度のウォーキング
  • ラジオ体操
  • 軽いストレッチ
  • 無理のない回数のスクワット
  • 通勤時に少し遠回りして歩く

まずは水分をとり、体調を確認してから始めることが大切です。少しでも体調に違和感がある場合は、朝食前の運動にこだわらず、軽く食べてから運動しましょう。

朝の運動がダイエットにやや有利だとしても、朝が苦手な方が無理に早起きする必要はありません。

夕方から夜は、朝よりも体温が高く、筋肉や関節を動かしやすい時間帯です。そのため、筋力やパワーを発揮しやすく、筋トレや少し強度の高い運動にも取り組みやすいと考えられています。

仕事や家事を終えた後に体を動かすことで、気持ちを切り替え、一日のストレスや緊張を和らげられる方もいるでしょう。

「運動後の爽快感が好き」「夜のほうが気持ちに余裕がある」という方には、夜の運動が向いています。

2025年の研究では、夕方から夜に運動したグループで、血管の拡張や血流、血管の調節機能がより大きく改善しました。

さらに、夜のグループでは、収縮期血圧の低下も確認されています。

この研究結果から、夜の運動にはダイエット以外にも、血管機能や血流を改善する可能性があると考えられます。朝は脂肪や脂質代謝、夜は血流や血管機能というように、運動する時間によって得意な効果が異なる可能性があります。

夜に運動すると眠れなくなる?

「夜に運動すると、体が興奮して眠れなくなるのでは?」と心配する方もいるかもしれません。

しかし、2025年の研究では、朝と夜のどちらのグループでも、寝床に入ってから眠るまでの時間が短くなりました。

複数の研究をまとめた報告でも、健康な人が夕方から夜に行う運動は、全体として睡眠を悪化させるとは限らず、むしろ寝つきや睡眠の質に良い影響を与える可能性が示されています。

参考:Stutz J, et al. Sports Medicine. 2019

ダイエットには睡眠も重要ですので、夜に心地よい運動を行うことで良質な睡眠につながり、心地よい生活習慣につながることが期待できます。

朝と夜、それぞれどんな人におすすめ?

朝と夜の運動の特徴を整理すると、次のようになります。

目的・タイプおすすめの時間
脂肪燃焼を重視したい
体脂肪の減少を早く実感したい
中性脂肪やコレステロールが気になる
日中の予定に邪魔されず習慣化したい
朝は体が動きにくい夕方~夜
筋トレやしっかりした運動をしたい夕方~夜
仕事後に気分を切り替えたい
軽く体を動かしてリラックスしたい

ダイエット効果では朝がやや優勢と考えられますが、「夜に運動しても痩せない」ということではありません。

2025年の研究でも、朝と夜の両方で体脂肪の減少が確認されています。

運動を始めようとすると、

「毎朝30分走らなければいけない」
「夜にしか運動できないから効果がない」
「1日休んでしまったので、もう続けられない」

と考えてしまう方もいるかもしれません。

しかし、最初から完璧を目指す必要はありません。

朝なら10分の散歩やラジオ体操から、夜なら夕食後のウォーキングや入浴前のストレッチからでも十分です。

朝に運動できなかった日は、夜に少し歩いてみる。運動できない日があっても、翌日から再開する。このような柔軟な考え方が、運動を長く続けるポイントです。

脂肪燃焼を重視するなら朝、気分転換やリラックスを重視するなら夜。

自分の生活リズムや体調に合った時間を選び、まずは少し体を動かすことから始めてみましょう。

脂肪燃焼の効果や自分に向いている運動は遺伝子検査でチェック

同じ時間に同じ運動を行っても、体脂肪の減り方や筋肉のつき方、運動への反応には個人差があります。

その違いには、食事や睡眠、年齢、これまでの運動習慣だけでなく、脂肪の利用や熱産生、筋肉の特性などに関わる遺伝的な体質も影響します

ビズジーンのダイエット遺伝子検査では、ADRB2、ADRB3、UCP1、ACTN3などの遺伝子型を調べることで、脂肪の利用、エネルギー消費、熱産生、運動特性などに関わる体質傾向を確認します。

また、脂肪燃焼に重要とされる脂肪細胞のベージュ化という最新の知見を反映した結果レポートをお渡しできる予定です。

関連記事ダイエットや脂肪燃焼に重要なベージュ脂肪細胞とは?

自分の体質傾向を知ることは、自分に合った運動や生活習慣を考えるきっかけになります。

「なかなかダイエットが続かない」という方も、まずは自分の体質や生活リズムを知るところから始めてみてはいかがでしょうか。

※遺伝子検査は、肥満や疾患を診断するものではありません。結果は体質傾向を示すものであり、実際の体重や健康状態には食事、運動、睡眠など多くの要因が関係します。